夢日記⑦ 世界の果てへ
「世界の果て?」
「そう、世界の果てには私たちには知らないようなことがいっぱいあるんだって。」
俺はこの町から出たことが無かった。
ここから出ずに一生を終えると思っていた。
何よりこの町の外に出る必要がないからだ。
必要なものはすべて揃ってる。
外の情報も手に入る、しかし…
「ここでさえ知らないことなの?」
「…そうなの、世界の果てに興味を持って旅に出た人は何人もいたわ。けれど…誰一人帰ってこなかった。それが世界の果てが凄いのか、はたまたもう死んでるのかはわからない」
何が起こるかわからない。
しかしそれだけで俺の好奇心をたぎらせるには十分だった。
「じゃあ行くね」
「本当に行くの…?」
「うん、気になって仕方ないんだ」
「そう…せめて無事を祈ってるわ」
こうして俺の冒険は始まった
目指すは世界の果て
町から出るのは初めてだ。
こんなにも平地ばっかりで建物なんてろくにない。
所々に動物らしきものがいる。
本で見たことあるような気がするが…。
広野を抜けて河原らしき場所に出た。
海…?いや、向こうに大陸が見える。
恐らく前に広がってるのは湖だろう、だから河原で間違っていないはず…。
そこに一軒家がある。
中から随分年を食ったおばあさんが出てきた。
「また旅の者かい…ここがどこだか知ってんのかい」
「いや…?」
「ここは世界の果てへの境界線だよ、こっから向こうは別世界さ」
良く見てみれば向こう側の空気?の色がなんか…グロい
「潮の満ち引きを知ってるかい。ここは湖だがそれがあってね干潮の時は普通の湖だが満潮の時は水に炎が混ざってるんだよ。」
「は?水に…炎?」
「ここからがそういうのが当たり前の世界になってるのさ。あんた町の出身だろ、そこで教えてもらった程度の知識じゃこの先生きていけるとは思えないね」
確かに…ここに来るまでにも知らないことが度々あった。
「どうだい、世界の果てについて知りたいならあたしが教えてやるよ。だから命を捨てるような真似はやめるんだね」
気になってた秘密が知れる…?でも、
「ありがとう、だけど俺は旅を辞めないよ」
旅をして気づいた、自分で新しいものを見つけるこのワクワクした気持ち、町じゃ知らなかったこれを最後まで…
「俺は自分のなかに出来た謎を解きたかった、けどそれは自分の目で見て確かめるよ。なにより、旅が楽しいんだ。」
「そうかい…なら、入り口へ案内してやるよ」
そして連れていってもらった場所はどす黒くて薄気味暗い森だった。
「ここが世界の果ての入り口、猛毒蜂の森だよ」
視界にいるだけでも数十匹いる、これが蜂…実際に見るのは初めてだった。
少し後ろめいた気持ちがある、このまま引き返しておばあさんの話を聞いた方がいいのではないのか?
だが、もっと色々なものを見てみたい!その気持ちが足を進めてくれた。
ありがとうの意味を込めておばあさんに会釈をしようと振り替えるが…
おばあさんが不適な笑みを浮かべている
その瞬間視界が真っ暗になり…
目が覚めた
久しぶり言葉をはっきり覚えてる夢を見ました
まあ明晰夢ほどではありませんでしたが…
ではこの辺で